ぼくはボールが欲しい。でもカーテンの向こうは危険地帯

ぼくには、お気に入りのボールがある。

転がして、追いかけて、
くわえて、また落として。

とても楽しい遊び。

でも、ときどき困ったことが起こる。

ボールが、
カーテンの向こう側に入ってしまうのだ。

そこは、ぼくにとって
ちょっと怖い場所。

暗くて、ひらひらしていて、
なにかが潜んでいそうな気がする。

ボールは欲しい。
でも近づくのは怖い。

ぼくは立ち止まり、
後ろを振り返りる。

ママがいる。

ぼくは目で伝える。

「取ってください。」

ママが気づかないふりをすると、
ぼくはゆっくり近づく。

そして見上げる。

「ねえ、取ってよ。」

声は出さないけど、
気持ちはかなり出ているはず。

ママは少し笑っている。

なぜ笑うのかは分からない。

これは大事な問題。

兄ちゃんがいるときも同じ。

ぼくはカーテンの手前で止まり、
ボールと人間を交互に見る。

人間は、こういうとき役に立つ。

しばらくすると、
ボールは救出される。

ぼくはすぐにくわえて、
何事もなかったように遊びを再開する。

カーテンの向こうは怖いけれど、
人間がいれば大丈夫。

だからぼくは今日も、
ボールが入るたびに振り返りる。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!